作業療法学生はどのようにキャリア選択を行うべきか

はじめに

作業療法士を目指す学生は、進路選択や就職活動をどのように行うべきなのでしょうか。
今回は、広島大学出身で作業療法士として働かれている先輩(ここではAさんとさせていただきます。)にご協力をいただき、作業療法学生のキャリア選択に関するお話を伺いました。
この記事では、Aさんからお聞きしたお話をもとに、作業療法学生がどのように進路選択を行うべきかについてまとめます。

Aさんにお話を伺うこととなった経緯
私は今年度に就職活動を行う必要があるのですが、最初の就職先はどのように決めればよいのか分からずにいました。
そこで広島大学の作業療法学専攻を卒業された先輩に、ご自身の経験を踏まえてアドバイスをいただきたいと考えました。
Aさんに作業療法学生のキャリア選択についてお話を伺いたいとお願いしたところ、快く受け入れてくださり、今回お話をお聞きすることが出来ました。
Aさん プロフィール
●2019年3月、広島大学医学部保健学科作業療法学専攻卒。
●現在は作業療法士として、某急性期病院にて勤務。

こんなお話をお聞きしました

  • 作業療法学生が行う就活の一般的な流れとは?
・就職を考えている病院に電話でアポを取り、訪問し見学をさせてもらう。その際に知りたいことを色々と聞いてみるとよい。
・就職したい病院が決まったら、就職試験を受ける。一般的な就活とは異なり、複数の施設を一度に受けることは出来ない。慣習的に、一つずつ受験して合格できなければ他をあたる、ということになっている。
・大体1~3カ所目で就職先が決まることが多い。
  • 臨床実習での経験は進路選択に影響を与えるか?
・最初から「この領域で働きたい」という軸を持っている人は実習でその考えが揺らぐことはないが、そうでない人も多い。
実習を経験してみた後でどのような就職先を選ぶかを決めるという人も多い。
  • 特に領域にこだわりがない場合はどこに就職すべき?
・作業療法士の働く先は、身体障害領域・精神障害領域・発達障害領域・老年期障害領域の4つの領域に分類される。それらの領域または対象とする疾患等にこだわりが無いのであれば、様々な疾患の患者と関わることのできる大きな病院に就職することをおすすめする。
・精神科は一発目に就職するには、よほどの思い入れがないと特別な領域なのでおすすめしない。精神障害領域から身体障害領域へ移るのは難しいとよく言われる。
・似たような問題として、回復期から急性期の病棟に職場を移すのも難しいと言われる。
  • なぜ精神→身障、回復期→急性期は難しいのか?
・1番の理由としては、「動きが違う」ということがある。急性期は比較的忙しく、短い時間で多くの患者に介入する。療法士によるものの、一日あたりの介入人数は10~19人。
・そもそも急性期ではリハビリよりも主科がメインなので、立場が弱いということもある。急な検査が入ることも多く、時間通りにリハビリを実施することが難しい。一方回復期はリハビリに重きが置かれており、1日あたりの介入人数も比較的少ない
  • 1年目のOTってどんな感じ?
「正解が分からない」という声をよく耳にする。OTとは何か、自分の領域とは何か、と悩む人も少なくない。
・技術的な面では専門学校卒の人の方がよくできる、ということを感じるかもしれない。ただ大学卒の人の方が、思考力や病態の理解においては長けているとも言われる。

おわりに

今回は作業療法士のAさんにお話を伺い、作業療法学生の一般的な就職活動の流れや、就職先を決める際にポイントとなる事柄について知ることができました。
またAさんご自身の経験にまつわるお話もお聞きすることができ、大変勉強になりました。
今回伺ったお話を参考にし、自身のキャリア選択について具体的に考えていこうと思います。

この度はお忙しいなか貴重なお話をお聞かせいただきありがとうございました!

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