2020年5月24日にオンラインで実施された、Community Roots Forum 2020〜あたらしい福祉・まちづくりの仕掛け人たち〜」に参加しました。
以下にその報告をさせていただきます!

GyazoGyazo

どのようなイベント?

人口減少、高齢化が進む現代で地域のまちづくりには「地域包括ケア」がなくてはならない存在になっています。医療福祉職の役割が多様化する地域の中で、支え手、受け手、世代、分野といった垣根を越えて、あらゆる立場の人々が自然と集い、住みよい場所を創るには私たちはどのような成長を遂げるべきなのか?
Community Roots Forum 2020では、まちづくりや地域包括ケアの最先端を知るゲストからこれからの医療福祉職に必要とされるクリエイティブな視点を学び、各地域でのアウトプットに向けた繋がりとアクションを生み出します。

 

今回は新しくサークルに入った学生を迎えて、計11名が参加しました。

トーク内容

以下ほんの一部ではありますが、とても興味深い話を拝聴することができました。

『ふたりが隠し持つ、まちづくりのレシピ』
 山崎亮(studio-L代表 / コミュニティデザイナー / 社会福祉士)
東浦亮典(東急株式会社 執行役員 渋谷開発事業部 事業部長 兼 フューチャーデザインラボ アドバイザー)

  • コミュニティデザインで重要なのは、そこに住む人々が自ら考えて動くことである。
  • 料理は、①作りたいものが先に決まっており、買い物に行ってそれを作る場合、②冷蔵庫の中を確認し「この食材があるからこれを作ろう」と決める場合、の2通りの方法があるが、まちづくりは②に近い。「こんな地域の特色があって、こんなスキルを持ったこんな人たちがいるから、こんなまちづくりをしよう」といった具合である。まずは、地形、歴史、産業、住民、コミュニティなどまちを形成する要素(どのような材料があるのか)を知ることが大切となる。
  • まちづくりのレシピとは
    「食べたくなる美味しい街を想像しよう!」ホリスティックなまちづくり
    「柔軟に一人何役もこなしていこう!」今ある資源を有効に使おう
    「身近な仲間と楽しく分かち合おう!」ソシエダ・ガストロノミカ

『福祉が街に出て、何が変わるの?地域と向き合う若手職員のホンネ』
 島 和也(社会福祉法人池田博愛会 地域交流拠点 箸蔵とことん 企画担当)
大谷 匠(株式会社シルバーウッド 高齢者住宅事業部 兼 VR事業部 / 看護師)
西川 理奈(軽井沢町・ほっちのロッヂ / 町に出歩く看護師)

  • 移住を促すために魅力的な活動を行いたい。現在は、移動販売を主にしている。地域の人からいらない本を集め、無料で読めるようなミニ図書館も開いている。もともと営業職に就いていたこともあり、やっている仕事は福祉というよりは「営業」。
  • 福祉は生活の延長線上にあるもの、という認識でいる。自分の仕事は福祉でもあり、看護的でもあり、生活でもある。
  • 福祉関係の仕事のことを「大変でしょう」と言われると、いつもなぜかテンションが下がる。福祉関係の仕事に対して、「キツそう」「すごいね」という両極端な印象を持たれており、そこに違和感を感じる。
  • 福祉の仕事は、スラムダンクで言うところの「左手は添えるだけ」だと思っている。その人が作りたい物語に「添えるだけ」。また、本人から話をきくことが大事であり、本人を置いておいて家族の話ばかり聞いていてはいけない。その人の生きる選択を促したり、気持ちの面で向き合ったり、ということをやっていきたい。

『移住者が巻き起こす、福祉と地域の濃厚接触』
 中澤 ちひろ(Community Nurse Company株式会社 取締役)
片桐 一彦(海士町社会福祉協議会 事務局長)
西川 太悟 (世界幸せ探検隊:せかたん)

  • 何か新しいことを始めるとき、変わることへの抵抗感や批判は必ず生じる。チャレンジャーは、応援者をいかに見つけ、どう後押ししてもらうかで大きく変わる。自身も「いつかどこかへ行ってしまうんでしょう」と言われ、信頼を得られず取り組みに反対されることもあったが、地域の人で「信頼貯金」が貯まっている人たちが守ってくれたことで上手くいった。もともとその地域にいた人たちと一緒につくると続きやすい。「倒れない支援」が必要。
  • 人間の生々しい、対面での触れ合いを感じられる瞬間は大事。近所での交流をより大切にしたほうがいい。自分の「楽しい」「面白い」は、身近なところで作れる。自分のできることをやる、身近なところで幸せを見つけることで、いい地域になっていく。
  • かつて海士町は人口減で潰れかけたが、何とかしたいと思った人が集まってきた(人口約2200人のうち約500人がIターン)ターン。何とかしたい!という気持ちの強い人のはやい歯車と、島民のゆっくりとした歯車をかみ合わせるコーディネーターの存在が必要。
  • 移住者は外からの視点や文化を島にもたらすという点でも大事。やってくる人に定住することは求めておらず、入り口も出口も広くしている。いろいろな人がいていいと思う。

『解き明かされる 福祉解体新書』
 松田崇弥&松田文登(株式会社ヘラルボニー CEO & COO)
首藤義敬(株式会社Happy 代表取締役)

  • できないことをできるようにしていこう、という考えも大事だが、すでに好きなこと・出来ることにどのように価値を付けていけるかと考えたい。全ての人に共感されることはやっていない。その余白が大切だと思っている。
  • どうすれば障害へのイメージを変えられるか?というところにアートで挑戦している。障害者ではなく「○○さん」として素敵だと思ってもらえるようにしたい。ただ素敵なものだから届けたい、知ってほしい。
  • ハッピーの家も、同じものが複数出来ても意味が無い。そのまちの要素、人、ニーズによって、必要とされるあり方も変わってくる。オリジナリティが大事。
  • 福祉をやっているつもりはない。自分と自分の周りがよくなればいいと思ってやっている。自分や自分の周りについて、どうしたらいい暮らしをできるようになるか?を考えるのが大事。暮らしに正解を求めず、「問い」に重きを置いている。制度という枠組みにとらわれず、実現したいものを実現するための保証として後付けで考える。

 

感想

 今回のフォーラムでお話をされた方々は、どなたも「人」を見ているように思えた。その延長に見ているものは、まちづくりの拠点である地域そのものだったり、慣習や生活観だったりするかもしれないが、その根本に根ざしているのは「人」を見ること。それぞれの地域には当然別の「人」が住んでいるわけで、どんな地域でも通用するコレといった教科書はない。その人たちに合わせたまちづくりを考え、さらにはまちづくりの主体になってもらうことが、肝要であることが分かった。

 このフォーラムのゲストの方々は、皆全然違うことをやっている。まちづくりのハード面を支える人、ソフト面を支える人、そして一見まちづくりには関与していないようにも思える人。まちづくりには、まさに多種多様な関わり方が出来るのだと知った。それぞれが信念を持って活動されており、それぞれにオリジナリティが発揮されている。まちづくりにも色々あるが、どこにも正解はないのだということも分かってきた。
最も印象に残っているのは、コミケアの中澤さんの言葉。チャレンジャーは応援者をいかに見つけ、どう後押ししてもらうかで大きく変わる、とおっしゃっていた。そこにいる人たちとの関係性づくりはまちづくりにおいて重要なものだと思う。どうしたらいい関係性が築けるのか?もう少し勉強してみたい。
また、作業療法的なことをみんなやっているのだと思うことがよくある。その人をみる、その人がやりたいことをやれるようにする、生活をみる。これらは作業療法を実践するうえでキーとなる考え方である。これと同じことを、ゲストの方々は言葉を換えてお話されていたように思う。作業療法的な考え方をしている人たちが地域で活躍されているのだから、作業療法士はもっと幅広く活躍できるのではないか。そう思うし、そうしたいとも思っている。以前から医療や福祉の枠組みに縛られない働き方をしたいと考えていたが、今回のフォーラムに参加したことでその思いはより強くなった。

 「コミュニティデザインで重要なのは、そこに住む人が自ら考えて動くこと」という言葉が印象に残っている。これは、コミュニティの規模が小さくても大きくても共通して言えることで、それが市町村だろうが国だろうが同じだ。今のコミュニティをどうしたいかを自分たちが考えて行動した結果、そのコミュニティに合ったサービスが生まれるということだと思う。将来、コミュニティデザインをする側ではなく「そこに住む人」という立場でそのコミュニティに合ったサービス、つまり地域医療を提供する人間になりたい。
また今回のフォラームに参加して、実際に働いている人の話を聞くのは、今までの自分の考えを見つめ直すきっかけになったり、将来を考える上で良い材料になると実感した。

まちづくりについて考えるとても良い機会となりました。
ありがとうございました!

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