2019年12月15日島根県松江市にて、作業療法士の引野里絵さんとお会いしてお話を伺ってきました。

今回の活動に参加した学生は、作業療法学専攻の学生2名です。

引野さんとお会いすることとなった経緯
大学の先生に「医療・福祉のフィールド以外での働き方に興味がある」という進路相談をさせていただいた際に、その先生の同級生である引野さんをご紹介いただきました。
フリーランスの作業療法士として小児を対象とした支援に取り組まれる引野さんは、海外でのボランティア経験もおありとのことでした。
様々な経験をされている作業療法士の大先輩にお話を伺うことで、自分たちのキャリアについて考えを深めたいというねらいのもとで本活動をおこないました。

引野里絵さんは広島大学医学部保健学科作業療法学専攻の卒業生であり、今回活動に参加した学生2名の大先輩にあたる方です。

現在はRICSの代表を務められ、作業療法士としての知識や経験を活かしながら幅広くご活躍されています。

RICSとは
・ RICSとは、RIe Child Support(リエチャイルドサポート)の略称である。
個性を活かす発達支援・家族支援・特別支援教育・子育ち環境の創造を専門とする、作業療法士の引野里絵さんが代表を務める。
・ 家庭や保育所・学校など、暮らしの現場で、子どもの「デキルことをいかし」「実行しやすい環境や仕組みを作り」「子どもの理解者を増やし」「子どもの育つ力を引き出す」サポートをおこなう。
・ 理念は以下の通り。
1)暮らしと自然を大切に生きる
2)子どもと家族、関わる全ての人の笑顔が増え、愉しく、地域で暮らすお手伝いをする
3)生きる力・生きる智慧を磨き、逞しく豊かに、幸せな人生を歩むきっかけを提供する

こんなお話をお聞きしました

  • 発達障害領域での作業療法士の働き方
「将来は発達障害のあるお子さんの支援に関わりたい!」という学生に対し、その道の専門家である引野さんは沢山のことを教えてくださいました。
最近では医療機関や療育施設の中だけでなく、地域や学校での支援をおこなう作業療法士も増えているそうです。
日本の作業療法士が数少なかった頃の支援の様子についてもお聞かせくださいました。
  • コスタリカにおけるJICAボランティアの経験
引野さんは以前にコスタリカで、作業療法士として障害児支援のボランティアを経験されています。
日本との言語や文化の違い、資源の不足などがあるなかで、様々な工夫を凝らして活動をされていたそうです。
ダンボールやその他の日用品で製作された、あるお子さん専用の椅子の写真なども見せていただきました。
  • RICSとしての活動や思い
いわゆるフリーランスとしてご活躍されている引野さんですが、どんなお子さんに対しても支援ができることがその働き方のメリットであると仰っていました。
「自然と関わることで、試行錯誤/工夫が生まれ、生きる力・生きる智慧がより育まれ、磨かれていく」というお考えから、活動拠点の畑では支援の必要の有無に関わらず、遊びを通して生きる力を育む場を提供しておられるそうです。

引野さんのお話をお聞きして

引野さんにお会いして一番感じたことは、「どんな経験にも意味があり、様々な人や文化とめぐり合うことはとても大切だ」ということでした。
実習地や就職先について不安な気持ちもありましたが、一つひとつの経験がその先につながると考えると、どんな経験も決して無駄にはならないと感じました。
また、小児の領域で活躍されている方のお話を直接お聞きできたことはとても嬉しく、面白かったです。
作業療法士の働き方、働く場所が変化していくなかで、自分がどう働きたいか、どのように生きていきたいかを大切にしたいと思いました。

引野さんはとてもユニークでありながら、ご自身の信念に従ってまっすぐに生きておられる方でした。
元々は大学の先生から、引野さんはJICAのボランティアや畑を利用した障害児の支援などをされていると伺っており、それらの活動内容や動機についてお話を伺えたらと思っていました。
いざ当日お会いしてみるとそれだけではなく、「結局はどう生きたいかだよ」「やりたいことをやっていけばいい」といったお言葉もたくさんいただき、将来に対して勇気や希望を抱かせていただくこととなりました。
引野さんにとって私達は見ず知らずの後輩であるにも関わらず、「私も上の人にいつまでも良くしてもらってたから」「恩返しじゃなくて恩配りって知ってる?」と仰ってとても親切にしてくださいました。
そんな引野さんにお会いできたのがとても嬉しく、私もいつか次世代に向けて何か「恩配り」ができるように成長したいと感じました。
これからも人とのつながりを大切にしながら、学びを深めていきたいです!
引野さん、この度は貴重なお話を聞かせていただき本当にありがとうございました!

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